ラベルを印刷したいけど、素材名だけでは仕上がりが想像しにくい。紙のツヤや透明感が作品に合うか、注文画面だけで選ぶのは迷うところです。
私が仕事で扱っていたシールは、ミラーコートとユポが中心でした。PETなども使い、原紙・糊・表面加工を組み合わせて選んでいました。今回はその経験も踏まえ、ラクスル・グラフィック・デジタ・アドピアの公式情報を調べています。
まずは、紙のツヤやフィルムの透明感から、作品やパッケージに合う素材を選んでみましょう。使う場所に合わせて、糊や加工も見ていきます。
素材が決まったら、次は注文先選びです。作りたい枚数や予算、シート・バラなどの届く形を見比べながら、希望に合う会社を1〜2社に絞って、見積もりへ進めるようにまとめました。
価格・仕様は2026年10月に確認した公式情報をもとにしています。
素材は、見た目と使う場所で選ぼう
まずは、作りたいラベルに近いものを選んでみてください。
- ツヤを抑えた見た目にしたい → 上質紙
- 写真やイラストの色を見せたい → アート紙
- ツヤをしっかり出したい → キャストコート紙
- 水濡れや結露がある → ユポなどの耐水合成紙・白PET
- 容器や中身を見せる → 透明PETなどの透明フィルム
紙箱や袋なら、紙のツヤや雰囲気で選ぶ
上質紙・アート紙・キャストコート紙は、どれも紙そのものは水に弱い素材です。水に濡れる容器に貼るなら、後で紹介するユポやPETから探してみましょう。
紙箱や袋に貼るなら、紙のツヤや雰囲気で選べます。光沢なし、ほどよいツヤ、強いツヤの3つを見ていきます。

ラクスルの素材紹介画面。上質紙は光沢なし、アートは光沢、キャストコートは強光沢。
出典:ラクスルの素材案内。
上質紙|ツヤを抑えた、落ち着いた見た目に
上質紙は表面をコートしていない、光沢のない紙です。
ツヤを抑えた雰囲気のラベルにしたいなら、上質紙を。手書きやスタンプを加える使い方にも向いています。
アート紙|写真やイラストの色を見せたいときに
アート紙は、ほどよい光沢のあるコート紙です。
上質紙より色が鮮やかに出るので、写真入りのラベルや、イラストの色を見せたいデザインに向いています。
キャストコート紙|ツヤをしっかり出したいときに
キャストコート紙は、鏡のような強い光沢がある紙です。王子製紙の「ミラーコート」シリーズも、この種類に入ります。キャストコート紙は紙の種類、ミラーコートは銘柄名という違いです。
ツヤを生かしてロゴやデザインを見せたいときに選べます。
少しだけ紙ラベルを作りたいときは、ラクスルとデジタから探せます。
ラクスルでは、アート紙は「光沢紙(アート)」、キャストコート紙は「強光沢紙(キャストコート)」が目印です。
デジタでは「ミラコート紙」という名前で探せます。
水濡れがあるなら、ユポなどの合成紙を
冷蔵庫で使うならデジタの冷蔵用の糊、冷凍庫で使うならグラフィックの「ユポ80(冷凍)」から探せます。何に貼って、どのくらいの温度で使うかを伝えて相談すると、仕様を絞りやすくなります。
ユポは、ポリプロピレンを主成分とする合成紙です。水に強く、破れにくいので、結露する容器など、紙では水濡れが気になるラベルに向いています。
ラクスルで耐水の合成紙を探すときは、「屋内用合成紙(耐水)」という名前が目印です。ユポという名称ではないので、注文画面ではこちらを探してみてください。
白い地色を残して丈夫にしたいなら、白PETも
デジタの白PETは硬さがあり、曲面には少し不向きと案内されているため、小さな瓶やカーブの強い容器に貼るなら、見本で端が浮かないかを見ておきたいところです。
PETはポリエステルのフィルムで、白PETには白い地色があります。水に強く、破れにくいラベルにしたいときに選べます。
ユポと白PETで迷ったら、2種類の見本を容器に貼って比べてみましょう。白い背景に載せたデザインの見え方と、貼り具合を一緒に見て選べます。
容器を見せるなら、透明素材と白インクを選ぶ
透明PETは、貼る面の色によって印刷の見え方が変わります。カラーの下に白を入れない部分は、下地が透けて見えるためです。
白いロゴや文字を入れたい場合は、白インクの指定と、その部分のデータも必要です。画面で白く見えているだけでは、白く印刷されません。白インクを入れても完全に下の色が隠れるとは限らないので、見本は貼る容器の色と合わせて見ておきましょう。
その透け感を生かせるのが、透明PETのよさです。瓶の色や中身を見せながら、容器の雰囲気に合わせてロゴやイラストを添えられます。
白インクは、見せたい仕上がりに合わせて使い分けます。
- 透ける色を生かしたい → 白インクなし
- 白い文字を入れたい・カラーを透けにくくしたい → 必要な部分に白インクあり

白インクを入れる場所で、透け方が変わります。(仕組みのイメージ)
白インクと表面加工を付けるなら、まずグラフィックを見てみましょう。25枚未満で少しだけ試したいときは、デジタから探せます。
印刷会社は、枚数と届く形で1〜2社に絞ろう
4社を全部読み比べなくても、自分の使い方に近いところから見れば大丈夫です。このあと、会社ごとに料金と選ぶポイントを紹介します。
- 1〜24枚で試す:ラクスル・デジタ。欲しい素材と糊を選べる方へ
- 冷蔵庫・冷凍庫で使う:冷蔵用の糊はデジタ、冷凍用の商品はグラフィックから探す
- 25枚以上で、透明ラベルに白インクと表面加工を付ける:グラフィック。少しだけ試す予定もあるならデジタも見る
- 100枚以上で、1枚ずつ分かれた状態で受け取る:アドピアの型抜き商品
自分の商品に貼る紙ラベルを100枚ほど作るなら、ラクスルとデジタから見てみるのもいいですね。どちらも、シートから1枚ずつ剥がして使えます。
ここからの料金例は、40×30mmのラベルに、同じデザインをカラー印刷する場合の目安です。税込・通常送料込みで、クーポンで割り引く前の金額を載せています。
糊は普通のりなどの標準タイプ、表面加工はなしを基本にしています。加工が含まれる例は、その内容も添えました。有料のデータチェックや決済手数料は別です。
ラクスル|素材の選択肢を見ながら、少量で作りたい
ラクスルでは、「少部数台紙タイプ」から探せます。上質紙・アート・キャストコートのほか、屋内用合成紙、白PET、透明PETも選べます。

注文は1枚から。 ただし、選ぶ納期によって注文できる枚数が変わります。下の料金例で使った7営業日出荷は5枚以上なので、1枚で試すときは別の出荷日を選びましょう。
紙ラベルの目安は、アート・100枚で送料込み2,207円。7営業日出荷、加工なしの例です。「おまかせ仕上げ」を選ぶと、ラベルが台紙に並んだ状態で届きます。

素材を選ぶと、使える糊や加工も画面で見ていけます。選択肢を見ながら、自分の商品に合う組み合わせを決めたい人に向いています。
デジタ|ユポの糊を選びたい・1枚から素材を試したい
デジタの「屋内用シール印刷」は、紙3種類に加え、ユポ・白PET・透明PETも1枚から注文できます。素材を少しずつ試したいときに見ておきたい会社です。

糊は、普通・冷蔵・冷凍・食品用・訂正・再剥離の6種類。「冷蔵庫に入れる」「あとで剥がしたい」といった希望から探せるのもよいところです。

40×30mm・100枚・7営業日以内発送、送料込みの目安はこちらです。
- アート紙・加工なし:2,465円
- ユポ・普通のり・加工なし:2,864円
このユポの金額は普通のりなので、冷蔵用などを選ぶときは、その糊での金額を見てください。届く形は、1枚のシートにラベルが複数並ぶタイプです。
少量で作れることと、ユポの糊を選べることを重視するなら、デジタから探してみましょう。
グラフィック|透明ラベルを、白インクとPP加工込みで作りたい
グラフィックで見るのは「シングルタイプ」。
今回の40×30mmは、15平方cm以内・フルカラーの区分で25枚から注文できます。紙素材やユポ、白PET・透明PETもそろっています。

透明PETでは、白インクの指定が無料です。カラーの下地に白を入れるなら「先刷り」を選びます。
透明PET・100枚、白インク先刷り・グロスPP加工込みで、送料込み4,330円。
8日納期、セルフチェック・おまかせ梱包を選んだ例です。PP加工は、印刷面に透明なフィルムを貼る表面加工のこと。このPET商品には必ず付くため、他社と比べるときも加工込みの金額でそろえましょう。
25枚以上で、白インクとPP加工を付けたいときに見ておきたい商品です。
冷凍庫で使うラベルを探しているなら、同じシングルタイプの「ユポ80(冷凍)」へ。上の金額は透明PETなので、ユポの料金は商品を選び直して見てください。
白インクと加工を付けた仕上がりで探す人や、冷凍用のユポを選びたい人が見ておきたい会社です。
アドピア|100枚以上で、1枚ずつ配れる形にしたい
アドピアの型抜き商品は100枚から。四角い台紙にシールが1枚ずつ付いた状態で届きます。この形を「バラ納品」といい、別に切り離す加工代はかかりません。

商品に1枚添えたり、お客さんに配ったりしたいなら、この届く形を見ておきたいですね。
40×30mmの「シングル型型抜き」でコート78kgを選ぶと、料金の目安はこちら。7営業日後出荷の例です。
- 100枚:送料込み4,410円
- 500枚:送料込み4,740円
この例では、100枚と500枚で合計金額の差が小さくなっています。ただ、たくさん頼む前に、使い切れるか、途中でラベルの内容を変えないかも考えておきましょう。
用紙名は「コート78kg」。他社のアート紙とまったく同じとは限らないので、質感は見本で比べたいところです。
1枚ずつ配れる形で100枚以上作りたいなら、アドピアを見てみましょう。 出荷してから届くまでにも約4〜5日かかる案内なので、使う日までに余裕を持って頼みましょう。
ユポ80uや透明テトロン38uは「特殊紙型抜き」で選べます。素材によって追加日数があるため、その予定も見たうえで、100枚以上を1枚ずつ配れる形で作りたいときに検討したい会社です。
料金を比べる前に、糊と表面加工も見ておこう
同じ素材でも、選ぶ糊や加工が違うと、貼れるものや合計金額が変わります。見てみたい会社が決まったら、この2つをそろえて見積もると比べやすくなります。
糊は「貼るもの・温度・剥がす予定」の3つで選ぶ
素材を変えると、使いたい糊が選べなくなることがあります。たとえばラクスルの画面では、アートに複数の糊がある一方、白PETは普通のりです。
注文前に、次の3つをメモしておきましょう。
- 貼るもの:紙箱、ガラス瓶、プラスチック容器など
- 使う環境:常温、冷蔵、冷凍、水濡れの有無
- 剥がす予定:貼ったまま使うか、あとで剥がしたいか

ラクスルの対応仕様。見るのは「アート」「白PET」の行と、糊の種類の欄。
出典:ラクスルの対応仕様。
「この容器に貼れるかな?」と思ったら、容器の材質と使い方を添えて印刷会社へ相談してみましょう。先に貼るものが決まっていると、必要な糊から素材や注文先を選んでいけます。
表面加工を付けるなら、加工代も入れて比べよう
ラミネートは、印刷面に透明なフィルムを貼る加工です。ツヤあり・マットの見た目を選べるほか、印刷面を擦れから守る役割もあります。
素材が水に強くても、印刷した面の保護はまた別の話です。今回見た商品では、加工の付け方にこんな違いがありました。
- グラフィックの白PET・透明PET:PP加工が必ず付く
- ラクスルの屋内用合成紙・透明PET:表面加工を付けるよう強くすすめている
- デジタで白インクを使うとき:ラミネートを付けるよう強くすすめている
加工を付けるなら、その分も入れた合計で比べましょう。
急ぎで作りたいときは、希望の日程を選んでから見積もりを。納期によって料金も変わるので、送料や加工代と合わせて比べてみましょう。
注文前に、実物に合わせてみよう
画面の見た目だけでは、ラベルの大きさや、容器に貼ったときの浮きまでは分かりません。素材と注文先を1〜2つまで絞れたら、実物に合わせてみましょう。
サイズがまだ決まっていなければ、まずは紙を切って、容器や袋に当ててみるところから。私も容器が変わるときや新商品では、紙を切って容器に当て、ラベルのサイズを見ていました。

サイズは仮紙、貼り具合は見本や少量注文で。確認方法を説明するイメージイラストです。
大きさと位置が決まったら、素材見本や少量注文で実際に貼ってみましょう。見るのは、色の見え方・端が浮かないか・文字が読みやすいか。透明素材は、貼る面の色も一緒に見てみてください。
素材が決まったら、作る枚数と予算も考えよう
ラベルの素材は、作品やパッケージに似合う見た目から選び、使い方に合う糊や加工と組み合わせていきましょう。
素材選びと合わせて考えたいのが、最初に何枚作るかです。枚数が決まると、注文できる会社と、送料も含めた予算を絞っていけます。
「まずは少しだけ作りたい」「何枚くらいから頼めるの?」という方には、次の記事で、必要枚数に合わせた注文先の選び方を紹介しています。

試すための枚数か、販売に使う枚数か。今ほしい量から、注文先を探してみてください。
価格・送料・最小ロット・仕様の確認日:2026年10月。料金例は公式サイトの選択画面と通常送料による参考額です。


